【株式投資】貸借対照表を使って財務分析する上で重要な5つの指標と考え方

ファンダメンタル分析

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まず「貸借対照表ってなに?」って感じの方は次の記事をご覧ください。

【株式投資】貸借対照表とは?内容など基本的なことを簡単に解説します
貸借対照表とはまず、貸借対照表というのは企業の決算日における財務状態を表す計算書です。貸借対照表には大きく分けると「資産」「負債」「純資産」の3つの項目に分けられて記載されています。単純に資産や負債と言ってもその内...

5つの指標をチェック

まず財務分析する上で重要な5つの指標を解説していきます。

財務に関する指標はたくさんありますが、その中でも特に重要な5つですので、しっかりと覚えておきましょう。

流動比率

流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100(%)

流動比率は1年以内に返済が必要な負債(流動負債)に対して、1年以内に現金化できる資産(流動負債)がどのくらいの割合かを表す指標です。

一般的に流動比率は200%以上あれば安全性が高いとされています。

当座比率

当座比率 = 当座資産 ÷ 流動負債× 100(%)
※主な当座資産:現金、現金等、売掛金、有価証券など

先ほどの流動資産は「棚卸資産(在庫)」など、やや換金性に劣る資産が含まれていましたが、当座資産は流動資産の中から現金及び換金性の高い資産だけで構成されています。

一般的に当座比率は100%以上あれば安全性が高いとされています。

自己資本比率

自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産× 100(%)

まず自己資本とは総資産の中から返済の必要のない資産の事です。
自己資本比率はこの自己資本が総資産に対する割合を示す指標で、割合が高いほど返済する必要が無い資産が多いわけですので、安全性が高くなります。

自己資本比率は一般的に50%を超えていれば安全性が高いとされています。

固定比率

固定比率 = 固定資産 ÷ 自己資本× 100(%)

固定比率は自己資本に対する固定資産の割合の表す指標です。

土地や建物、設備などの固定資産は将来現金化する予定のない物が多いです。また現金化しようとしても簡単には売れなかったり、額面通りに売れなかったりと換金性が低いです。

ですので固定資産を買う財源は、返済の必要が無い自己資本だけで賄える方が望ましいわけです。
つまり固定比率は100%以下が安全性が高いという事にもなります。

固定長期適合率

固定長期適合率 = 固定資産 ÷ (自己資本 + 固定負債)× 100(%)

先ほど固定比率は100%以下の方が安全性が高いと解説しましたが、日本の多くの企業の固定比率は100%を超えているのが現状です。

その理由は株式を発行したりなどで資金を調達するのではなく、銀行からの借入れや社債の発行で資金を調達する方法を取る企業が多いからです。

では日本の企業は安全性が低い企業ばかりなのかと言えばそうではありません。この固定長期適合率を固定比率と一緒に確認する必要があります。

固定長期適合率は固定比率の分母に固定負債を加えて計算し、この数値が100%以下であれば、固定比率が100%以上でも、ひとまずは安全性が高いという事になります。

資産の内容をチェック

次は資産の内容についてチェックしていきましょう。
ひとえに資産と言っても内容は様々あり、重要なのはどのように構成されているかです。

例えば流動資産に関して言えば、現金など換金性の高い「当座資産」が多いか、額面通り換金できるか分からない「棚卸資産(在庫)」が多いか、その割合によっては流動資産の金額が同じでも財務の安全性は変わってきます。

固定資産に関しては、まず土地や設備などは簡単には換金出来ないという事を頭に入れておいて下さい。

また、「のれん」のようにそもそも換金する事が出来ない資産が含まれている事も、重要なチェックポイントです。

業種によって基準が変わることを理解しておく

先ほどの5つの指標では「○○%以上は安全」といった感じで目安の解説しましたが、それは業種によって変わるという事を頭に入れておいてください。

例えばスーパーのような小売業であれば日々売上が入ってくることから、他の業種に比べ保有しておく当座資産は少なくて済みます。

製造業であれば初期投資や先行投資が大きくかかるため、借入金や固定資産の割合が他の業種に比べ多くなります。

このように業種ごとに基準が変わるため、先ほどの目安+α同業他社との比較が必要になります。

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