【節税】株や投資信託の利益で社会保険料や税金が上がってしまう?概要や対策について

節税

前回の記事では株式投資の口座に種類について解説しました。前回の記事
その中で「源泉徴収なしの特定口座」では社会保険料が上がってしまう場合があると解説しました。
今回の記事ではどういった場合、社会保険料が上がってしまうのか、また上がらないようにするにはどうしたらいいのかを解説していきます。

社会保険料に影響が無い人

会社員や公務員などで健康保険(協会けんぽや組合けんぽ)加入者

健康保険加入者の保険料の算出は本人の「月給+賞与」で決定しますので株式売却益や配当等を申告しても、健康保険料には影響しません。

源泉徴収ありの特定口座で確定申告をしない人

上記の人以外でも現在の税制度では、「源泉徴収ありの特定口座」で確定申告をしない場合は所得金額に算入されず、社会保険料には影響されません。

社会保険料が上がってしまう

専業主婦(夫)やパート勤務などで扶養範囲内の収入の人

現在の健康保険の扶養者加入の条件では継続的、恒常的な収入で判断されますので株式などの売却益では影響はありません。しかし「扶養者控除」や「配偶者控除」には影響があります。配偶者控除や扶養者控除の38万円などの一定額を超えてしまう場合は世帯主の所得税が上がってしまいます。

国民健康保険の加入者(自営業、フリーランス、定年退職者など)

国民健康保険加入者の方の保険料は10種類に分けられた所得の合計額によって算出されます。

以下が所得の種類です。

1,利子所得 ・・・公社債や預貯金の利子
2,配当所得 ・・・株式の配当、証券投資信託の収益の分配
3,不動産所得・・・アパートなどの経営による所得
4,事業所得 ・・・商業・工業・農業・漁業・自由業など、事業から生じる所得
5,給与所得 ・・・給料・賞与などの所得
6,退職所得 ・・・退職によって受ける所得
7,山林所得 ・・・林業などを営む方の所得
8,譲渡所得 ・・・株式や不動産などの資産を売却した所得
9,一時所得 ・・・保険の満期解約金などの一時的に発生した所得
10,雑所得  ・・・年金や他の9種の所得に該当しない所得

国民健康保険の保険料額はこれら10種類の所得を合算した金額から算出されます
株式の利益は配当所得と譲渡所得に該当するので、株式で利益を出すと、国民健康保険料額が上がってしまう仕組みになっています。

後期高齢者医療保険の加入者(75歳以上又は一定の障害がある65歳以上の人)

後期高齢者医療保険の加入者の方も上記の国保加入者の方と同じで所得の合計額によって負担保険料が変わるので影響があります。
また病院の窓口などで支払う医療費の自己負担額は原則1割ですが、一定の収入を超えると3割の負担額になってしまいます。

税金が上がらないための対策

・専業主婦(夫)やパート勤務などで扶養範囲内の収入の人※以下、被扶養者
まず被扶養者の方で投資金額が少ない場合は「NISA口座」や「源泉ありの特定口座」のみで運用するようにしましょう。もし複数の口座で取引を行い、損益通算による還付を受ける場合は、還付によって返ってくる金額と、確定申告を行うことによって、増える社会保険料額や所得税を比べて判断するようにしましょう。
また世帯主の方の名義で取引すれば「源泉なしの特定口座」での取引や、還付を受けるための確定申告を行っても、社会保険料や所得税には影響がありません。

国民健康保険の加入者(自営業、フリーランス、定年退職者など)※以下、国保加入者
・後期高齢者医療保険の加入者(75歳以上又は一定の障害がある65歳以上の人)

上記の被扶養者の方と同じで投資金額が少ない場合は「NISA口座」や「源泉ありの特定口座」のみで運用するようにしましょう。
運用金額や取引回数が多く「源泉なしの特定口座」でがっつり運用したい方は、配当控除をうまく利用するようにしましょう。配当金額に関しては「源泉分離課税」と「総合課税」をどちらか選択することが出来ます。「総合課税」を選択した場合は、配当控除を受けることができ、所得金額に加算される金額を減らすことが出来ます。※ただし株式の譲渡金額に損失があっても、損益通算をすることが出来なくなってしまいますので、保有している銘柄に合わせてどちらが有効的か、判断する必要があります。

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まとめ

株式投資で利益を出せることは大変嬉しいことです。しかしそのことで社会保険料や税金が上がってしまえば、せっかく利益を出しても、手元に残るお金は減ってしまいます。場合によっては利益の金額よりも、増える税金の方が大きくなってしまいます。
そうならないためにも、適切な判断をして利益の守っていきましょう。

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